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初めての輸出手続き②:手積み手卸しのバラ積みで依頼するとパレットに積まれて納品されることがある

前回からの続きです。

前回までのおさらい

  • 各メーカーに商品を注文
  • 「パレットに積んで送りますか?」という問い合わせがくる
  • 受取先に確認して「パレットには積まずにバラで発送」と各社に伝達
  • 受取先から「やっぱりパレット積みでよろしく」と連絡
  • 各メーカーにはバラ積み依頼しており、トラブル回避のためバラ積みのままにする

商品の問い合わせからだいぶ日数が経ち、商品の受入倉庫への搬入期限が近づいてきたため、メーカーからも商品を発送しましたという連絡が入りはじめたころでした。

各メーカーから商品が発送されて納品されるまでは次のようなやり取りがあります。

弊社船会社倉庫会社
①商品Aの着日を連絡②弊社取扱商品着日連絡③輸出準備
⑥メーカーに発送確認⑤A以外の商品の着日確認催促④A以外の日程確認
⑦商品Bの着日を連絡
  • 弊社から船会社に商品Aの着日を連絡
  • 船会社から倉庫会社に弊社取扱商品の着日を連絡
  • 倉庫会社は弊社取扱商品の輸出準備に入る
  • 倉庫会社、A以外の商品の納品日程を船会社に催促
  • 船会社から弊社にA以外の納品日を催促
  • 弊社から各メーカーに納期の再確認
  • 弊社から船会社に納期連絡

このように弊社・船会社・倉庫会社の3社で伝言ゲームが繰り広げられます。

この伝言ゲームのようなシステムがこの後発生するパレット問題をややこしくする原因のひとつとなりました。

なぜかパレット積みで納品されてくる商品たち

各メーカーから到着日時の連絡が完了し、あとは倉庫に商品が無事届いてくれるのを待つばかり。

しかし倉庫会社からはびっくりするような連絡が入りました。

「○○メーカーの商品がパレット積みで納品されてます!」

という、耳を疑うような連絡が。

さらに少し時間をおいて

「⬜︎⬜︎メーカーの商品ですが木のパレット積みで納品されてます!」

「△△メーカーの商品、木パレとプラパレ積みで納品されてます!」

【パレット無しで発送】と連絡していたにもかかわらず、次から次へとパレット積みでの納品連絡がきたのです。

結局発注先(5社)のうち3社がパレット積みで商品が納品されていました。

ここからどうしてパレットに積まれて納品されたのかを探す推理大会が始まることに。

どこで連絡が行き違ったのかを探ることに

メーカーの各担当者に連絡し

【パレット積みで納品されてたんですけど、どうなってるんですか?】

と弊社から各メーカーへの問い合わせがはじまりました。

「でも受取先はパレット積みを望んでいたんだから、結果オーライじゃないの?」

と思われる方もいるかもしれません。

ですが、弊社的には全く嬉しくない状況でした。

倉庫会社側で一括してパレットに載せる手配をしていたため、パレット積みで搬入された商品を倉庫会社側のパレットに積み替える必要があったからです。

パレット積みで納品されたことで、コストが2倍+αに

商品輸送に使われるパレットですが、全国的に統一規格かというとそうでもありません。

そのためメーカーから倉庫会社まで運んだパレットから倉庫会社が扱っているパレットに積み替える作業が生じます。

パレットの積み替え作業で生じた余計な業務

(バラ積み商品をパレットに積む手順)

  • バラ積み商品をパレットに積む

(パレットの積み替え手順)

  • パレット積みされた商品をパレットから下ろす
  • おろした商品を別のパレットに積み替える

パレットに商品を積むにもお金がかかりますし、当然ながらパレットに積んである商品を下ろす際にもお金がかかってきます。

簡単にいうとパレットの積み替えでコストが倍+αになったということです。

+αはメーカーから届いたパレットの処分費用

倉庫会社のパレットに商品を積み替えたということは、メーカーから発送された際に使われていたパレットが残っている、ということです。

倉庫会社としても、どこのパレットかわからないものを使いたくないでしょう。

また他社のパレットを処分するには当然お金がかかります。

因みにパレットの処分費用は、

プラスチックパレット処分費用90円/kg毎
木製パレット処分費用40円/kg毎
運搬料23,000円/パレット1枚につき
実際に送られてきたパレット処分費用の明細一覧

パレット1枚につき23,000円の運搬料というのがめっちゃ高いですよね。

倉庫会社からは処分ではなくパレットの持ち帰りだったら無料だよ、とも連絡がありました。

処分費用の相場からもかけ離れているので、よほどのことがない限りは処分ではなく持ち帰り推奨ということでしょうね。

パレットの種類と中国向け輸出の場合、基本的に木のパレットはやめといた方がいい

実はこのパレットですが、大きく2つに分類することができます。

  • プラスチックパレット(プラパレ)
  • 木製パレット(木パレ)

厳密にはもっと種類があり、国内だけで100種類以上のパレットがあるそうですが、よく見かけるのはこの2種類でしょう。

商品の納品の際に

「○○メーカーの商品がプラパレで納品されてます!」

って言われたら、”プラスチックのパレットに商品が積まれて納品された”ということです。

今回、私たちのパレット問題ではプラパレと木パレの両方で納品された商品もありました。

基本的に木パレは燻蒸処理が必要で、証明書も必要になる

国や地域によっては木製パレットの使用を禁止していることがあります。

木製のパレットの素材はもちろん木です。

つまり木の中に虫がいる可能性があるんですね。

私たちの目では確認することができないパレット内部に虫がいた場合、その虫が相手国では危険動物に指定されている可能性があります。

それを防ぐために、木製パレットを使用する場合には、パレット自体を燻蒸(殺菌処理)して木の内部に生物がいないことを証明しなくてはいけません。

そのためだけに証明書を作成して発行する必要があるので、これも余計なコストになってきます。

プラパレでは経費0なのに木パレにしたことで余分なコストがかかってしまうなら、初めからプラパレでってなりますよね。

以上がパレットについての簡単な解説になります。

次回に続きます。

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