ここ数ヶ月、社長に同行して色々な方々とお会いしました。
これまでの自分だったら出会えないような人たちとの出会いで考え方も広がったような気がしていて、
「なんだか一気に人脈が広がったような気がするよ」
と診断士に話すと彼は、
「私はあまり『人脈』という言葉があまり好きではないんだ」
「君は『人脈が広がった』と思ってるかもしれないけど、相手からしたら『(現時点では)顔見知りのひとり』でしかないよ」
と言われました。
今回はこの『人脈』について確認していきたいと思います。
人脈とは
『人脈を広げる』という言葉は、SNSやビジネスセミナーなどでよく聞くフレーズのひとつです。
人脈という言葉の持つそもそもの意味ですが、
- ある集団の中で同じ系列・系統に属す人のつながり
- (同業・同窓など何らかの関連する点があり)仕事の上で役に立つ人のつながり
- 人間関係やネットワーク
- お互いにwin-winの関係にある
このように人とのつながりを総じて『人脈』という言葉が使われています。
では、この『人脈』があることのメリットですが、
- 新しい知識や見方を知ることができる
- 自分がピンチのときに相談したりアドバイスをもらうことができる
- 困ったときに助けてもらえる
こういったことが挙げられます。
顔見知りと人脈の間にある知り合い
では顔見知りについてもあらためて定義づけすると、
- あまり親しくはないが、互いに顔は知っている
- 挨拶程度の間柄
これだけを見ると人脈と顔見知りには大きな開きがあるように見えます。
実は人脈と顔見知りの間にはもうひとつのポジション『知り合い』というものがあります。
知り合いとは、
- お互いの実情や気心などを相当の程度まで知っている
このように定義することができます。
簡単に言うと友達以上恋人未満、つまり
顔見知り以上人脈未満と言えるでしょう。
顔見知りと人脈を履き違えてはいけない理由
仮に一般的に成功している人(以下Aさん)を友人(以下Bさん)に紹介してもらったとしましょう。
Aさんからすれば、【私は友人Bさんの連れの人】くらいにしか思っていないでしょう。
ですから紹介してもらったことについて
『とてもすごい人を紹介してもらった!人脈が広がったぞ』
と勘違いしてしまいそうになりますが、
【顔見知りになるチャンスをもらった】
くらいに思っておく必要があります。
この顔見知りポジションから知り合いのポジションへと移行するには
お互いがある程度気心を知る仲になる必要があります。
ある種成功している人というのは、毎日色々な人と会っているわけですから、1度や2度会ったくらいでは覚えてもらえないでしょう。
何度か挨拶を交わす程度でしたら
【この人、前にも会ったな】
くらいには見てもらえるでしょうが、人脈の定義から見ればこれはwin-winの関係には程遠いです。
周りから見ると「人脈」、お互いの目線は「ギブ&テイクできる間柄」
顔見知りの間柄から知り合いへと昇華させるには相手のことを知り、自分のことも知ってもらう必要があります。
あらためて『人脈』を持つことのメリットについて表記します。
- 新しい知識や見方を知ることができる
- 自分がピンチのときに相談したりアドバイスをもらうことができる
- 困ったときに助けてもらえる
これらが人脈を持つことのメリットですが、これらは自分が相手に望むものになります。
自分が手にいれることと合わせてこれらを相手にも与えることができる(ギブ&テイクの)間柄かどうかについても考えておく必要があります。
相手からもらってばかりで自分から相手に何も渡せていないような間柄ですと、もしかしたら相手からは「都合のいい人」と思われているかもしれないです。
困ったときだけお願いされて普段は知らんぷり
これだと良好な関係を築くことは難しいですし、これを『人脈』とは言いません。
でも結局初めは「顔見知り」からはじまる
とはいえ人脈づくりは悪いわけではなく、むしろ自分の得意分野以外の人間関係があるほどさまざまな意見や考えを知ることができるので率先して広げていくべきです。
ですが、初めから相手が自分のことをしっかりと知ってくれている確率の方が低いわけですから、
相手からもらうばかりではなく自分からもしっかりと相手にギブしていく。
これらの積み重ねで相手からは「ただの顔見知り」から「親しい知り合い」になり、この関係を第三者から見ると『人脈』に見えるということです。
ですから、相手にもらってばかりだと感じる場合には、日頃からアンテナを広げて情報を蓄えて発信することが必要ですね。
関係を深めたい相手から「○○について今検討しているんだけど、どう思う?」のように自分の考えを求められるようになったら
相手にとって私は「ただの顔見知り」ではないということです。
名刺交換して「人脈が広がった」と思うのではなく、『人脈を広げるチャンスがもらえた』と心得ましょう。
そこからが始まりです。